新型コロナウィルスは、「暑さ・熱」「湿気」「太陽光(紫外線)」に弱い?高温多湿の夏には収束する?

緊急事態宣言の全面解除・自粛要請の終了に伴い、コロナ騒動も一段落ついた感がありますが、新規感染者は毎日のように確認され、小規模クラスターも発生しています。

しかし、夏が近づくにつれて、気温や湿度が上がりコロナウィルスは収束するのではないかと楽観視している人も少なくありません。

本当に新型コロナウィルスは暑さや湿気に弱く、夏になれば自然と収束に向かうのでしょうか?

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新型コロナウイルスは太陽光や熱、湿度に弱い

米国ホワイトハウスは、まだ検証が終わっていない段階としながらも「新型コロナウイルスは太陽光や熱、湿度に弱い」という内容の見解を発表しました。

他にも多くの専門家が新型コロナウィルスは高温多湿に弱いとする見解を公式ではありませんが発表しています。

しかし、現時点で新型コロナウィルスが暑さや湿気に弱いという確証的な知見はありません。

英国のイーストアングリア大学で感染症を専門とするポール・ハンター氏は「同じような形で拡大する他の疾病から類推するしかない」と語っています。

勘違いが無いように予めいっておきますが、ホワイトハウスや他の多くの専門家の見解を否定するものではありません。また、逆に高温や多湿の環境に強いという事でもなく、高温多湿に弱いという確証的な知見、研究報告がない。すなわち、高温多湿に弱いのか分からないということです。

「インフルエンザ」「他のコロナウィルス」には季節性があることは判明しており、新型コロナウイルスも同じように思い込んでいる人も多いようですが、現実問題として、日本とは季節が反対の南半球のオーストラリア、ブラジル、シンガポールなどは、夏にコロナウィルスが流行しています。

海外は、あいさつがハグやキス、家の中でも土足など、日本とは文化が異なるため、一概にはいえませんが、この点を考慮しても季節性があるとは考えにくい状態です。

暑さと熱さの違い

新型コロナウィルスが『暑さ』に弱いかは分かりませんが、新型コロナウィルスがこれまでの常識の範囲内のウィルスであれば『熱さ』に弱いのは明白です。

世界で猛威を振るっている新型コロナウィルスがですが、同じような形で拡大する他の疾病から類推するに「ウィルスの常識を上回る」というものではないようです。

  • 暑さ:気温が高いことに対して用いる言葉
  • 熱さ:気温以外に対して用いられる言葉

インフルエンザウィルスなど、ほぼ全てのウイルスや菌は煮沸殺菌ができ、冷凍保存することができます。

この関係から新型コロナウィルスも熱さに弱いのは間違いがないと考えていいでしょう。

しかし、これは太陽光や熱、湿度の高い環境が新型コロナウイルスを収束させるというものではありません。

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高温多湿がウィルスの生存能力に与える影響

米国ホワイトハウスをはじめ、他の多くの専門家が提唱する「新型コロナウイルスは太陽光や熱、湿度に弱い」という見解が正しいものだと仮定した場合、くしゃみなどによって飛び散ったウィルスは、冬の乾燥した寒い時期と夏の湿度が高く暑い時期ではウィルスが生存することが出来る時間が異なることになります。

高湿で日光の当たる状況では数分でウィルスが不活化

米国の研究では、暗く乾燥した環境での実験において、ステンレスなど通気性のない素材の表面でウイルス粒子の半数が機能を失うまでに18時間を要したのに対して、高温多湿の環境では、三分の一程度の時間に短縮され、高温多湿で太陽光(紫外線)が当たる状況では、半数が不活化するまでの時間は数分という研究結果が出ました。

このため、高温多湿の夏に屋外の何かしらの表面に付着したウィルスからの感染のリスクは弱まります。

ただし、これは人から人に感染しなくなるという意味ではありません。

正確には高温多湿の環境ではウイルスが機能、生存するのが難しくなり感染のリスクが低くなるということです。

また、空気が冷たく乾燥している冬は、ウィルスが空気中を長時間漂い、遠くまで到達することにより、より多くの人を感染させてしまう可能性がありますが、高温多湿の環境ではウィルスの移動範囲も狭まってくると考えられます。

新型コロナが自然に収束する可能性は低い

新型コロナウィルスは、日本をはじめとする北半球では、夏のあいだは感染者が減少し、かなりの程度抑え込まれる可能性が高いですが、『太陽光や熱、湿度に弱い』とすれば、季節が反対の南半球はこれから感染者が増加することが容易に想像ができます。

日本に限っていえば、密集・密閉・密室の3密を避け、マスクの着用などの新しい生活様式を徹底して、ワクチンが完成するまで他国からの入国を制限すれば、夏の間に収束させることも不可能ではないかもしれませんが、経済的な繋がりがある以上、鎖国のような状態はは現実的に不可能です。

このため、国外からウィルスが持ち込まれ北半球が再び冬になれば「第二波」「第三波」といった流行が再燃する可能性は高いと思われます。

新型コロナウィルスは免疫を持たない人が多く、集団免疫の獲得は難しいため、新型コロナウイルスの収束は予防薬、治療薬が完成するまで難しいと予想されます。