薬の値段が安くなり経済的なジェネリック医薬品 薬の特性、安全性・品質、安さの理由、効き目、副作用、頼み方

処方箋をもらって薬局に行ったらジェネリック医薬品(後発医薬品)にしますか?などと聞かれたことはありませんか?ジェネリック医薬品という名前を耳にする機会が増えてきましたが、詳しいことまでは分からないという人も多いのではないでしょうか?薬だけによく分からないものは不安ですよね。

このページでは、ジェネリック医薬品について、薬の特性、安全性・品質、安さの理由、種類、効き目、副作用、頼み方などについて分かりやすく解説します。

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ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは?

ジェネリック医薬品は、後発医薬品とも呼ばれ、先発医薬品の独占的販売期間(特許期間)の終了後に、他社が発売する、先発医薬品と同じ有効成分で効能・効果、用法・用量が原則同一の医薬品です。

ジェネリック医薬品の安全性・品質

ジェネリック医薬品を製造販売するには、先発医薬品と効き目が同等であることを証明する様々な試験、「規格試験(原薬・製剤の品質確保)」「安定性試験(加速・長期保存)」「生物学的同等性試験(溶出試験、ヒトBE試験)」を実施し、厚生労働省の承認を得なければなりません。

ジェネリック医薬品だからという理由で、安全性・品質が劣るということはありません。逆に、ジェネリック医薬品は先発医薬品の発売からおよそ10年経過してから発売される薬であるため、その間に、進歩した最新の製剤技術を取り入れることで、飲みやすさの工夫、使いやすさの工夫などを付け加えているものもあります。

また先発医薬品の発売から10年経過して発売されるということは、十分な副作用情報が蓄積されているということになります。

ジェネリック医薬品の安さの理由

新薬には開発には莫大な研究費が必要です。その金額は数百億~数千億とも言われています。また、先発医薬品の承認申請には、26の資料を提出する必要があります。他にも、新薬には発売後に一定期間有効性・安全性を評価するため、それらの費用を価格に加味する必要があります。

ジェネリック医薬品は、言い方が正しいか分かりませんが、先発医薬品を真似をして作られた医薬品のため、開発研究費など投資が先発医薬品よりも抑えることができます。

申請も、有効成分に関する有効性・安全性はすでに先発医薬品において確認されているため、「規格及び試験方法」「安定性試験」「生物学的同等性試験」の3つの資料と添付文書記載事項の提出によってPMDAにより審査され、製造承認がおります。

このため、先発医薬品よりも 30%~60% 程度安く販売することができます。

例えば、著作権が切れた映画「ローマの休日」「風と共に去りぬ」などのDVDが正規盤業者以外から格安で販売されているのと似たような感じです。

ジェネリック医薬品の浸透率

現在、日本でジェネリック医薬品を製造する企業は、約200社、ジェネリック医薬品の品目数は約10000品目あり、ジェネリック医薬品の数量シェアは約65%以上あります。

一見すると多いかと思われますが、諸外国と比較するとそれほど高いとは言えません。

政府は高齢化社会に伴い、増加する医療費の削減に寄与するジェネリック医薬品の普及を推奨しており、2020年9月までに、使用割合を80%とする」という数値目標を掲げています。

主なジェネリック医薬品メーカー

【国内売上高1000億円以上】

  • 沢井製薬(東証一部上場)
  • 日医工(ジェネリック医薬品メーカー最大手)

【国内売上高500億円以上】

  • 東和薬品(東証一部上場)
  • ニプロ(東証一部上場)
  • Meiji Seika ファルマ(東証一部上場)
  • 三和化学研究所

他にも、大手新薬メーカーの子会社・傘下・資本関係がある企業が多数あり、大手新薬メーカーもジェネリック医薬品(後発医薬品)を主要事業のひとつとして位置付けています。

ジェネリック医薬品の頼み方

薬にはジェネリック医薬品にできるものと、できないものがあります。

病院で渡される処方箋を確認して変更不可の欄に「レ」または「×」が付いていなければ、ジェネリック医薬品へ変更することができます。

マークが付いていなければ薬局で「ジェネリック医薬品でお願いします」と伝えるだけで大丈夫です。

ジェネリック医薬品の注意点・デメリット

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分で効能・効果、用法・用量が原則同一の医薬品といいましたが、全ての薬が100%全く同じというわけではありません。最新の技術でより良く改良されたものもありますが、約10000種類もあるのですから、品質が劣る物があっても不思議ではありません。厚生労働相の承認を受けなければ製造販売ができないので、明らかに品質が劣るものは無いと信じたいですが、こればかりは専門機関でなければ確かめようがありません。

ジェネリック医薬品の安全性に疑問と持ち、使用を控えるよう言っている医師がいるのも事実です。

値段が安くて経済的なジェネリック医薬品ですが「選ぶ」「選ばない」はこれらを踏まえて自己責任ということになります。