確定申告で住民税の一部が戻り節税効果がある医療費控除 実際いくら税金が戻る?

税金の一部が戻ってきて節税にもなる医療費控除ですが、名前くらいは聞いたことがあるけど、詳しい内容までは分からないという人のために、医療費控除の「対象になるもの」「ならないもの」申告により取り戻せる金額の計算方法など分かりやすく解説します。

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医療費控除とは

医療費控除とは、対象となる期間中、家族の分も含め病院等に支払った医療費または付随する費用が、「10万円」または「世帯年収の5%」のどちらか低い金額をを超えた場合、確定申告することで最大で200万円を上限に税金が控除される制度です。

医療費控除の対象となる期間

1月~12月までの1年間

例えば、8月(8月~12月:9万円)~翌年8月(翌年1月~7月末:9万円)の間で18万円以上の医療費がかかったとしても対象外

医療費控除の対象となる費用

医療費控除の対象となる医療費は、病院で医療行為を受け支払った医療費だけに限りません。幅広いものが制度の対象に指定されており、家族全員分の下記に挙げた費用の合計金額が医療費控除の対象になります。

  1. 医療機関に支払った治療費
  2. 治療のための医薬品の購入費
  3. 通院費用、往診費用(交通費)
  4. 入院時の食事療養・生活療養にかかる費用負担
  5. 歯科の保険外費用(インプラントなど)
  6. 妊娠時から産後までの診察と出産費用
  7. あんま、指圧、はり、きゅうの施術費
  8. 義手、義足などの購入費
  9. 6ヵ月以上の寝たきりの人のおむつ代(医師の証明が必要)
  10. 温泉利用型および運動型健康増進施設の利用料(医師の指示と証明が必要)
  11. 訪問看護ステーションの利用料
  12. 老人保健施設、療養病床の利用料(介護費・食費・居住費の自己負担分)
  13. 特別養護老人ホームで受けた介護費・食費・居住費の自己負担分の半額
  14. ケアプランに基づく在宅介護サービスを医療系サービスとあわせて受ける場合の介護費自己負担分
  15. 特定保健指導のうち、一定の積極的支援の対象者が負担する特定健診・特定保健指導にかかる費用
美容を目的とした医療行為(美容整形・シミ取りなど)、病気の予防を目的とした医療行使(インフルエンザの予防接種など)に関する医療費は制度の対象外

医療費控除額の計算(いくら戻る)

住民税の金額は、課税所得の10%です。課税所得とは、年収から給与所得控除などの各種控除を差し引いた金額をいいます。各種控除には「医療費控除」も入るため、医療費控除の金額の10%(住民税)が節税できる計算になります。

【控除金額の計算】

医療費控除の対象となる金額は、下記のように計算されます。

医療費控除の対象となる金額 = 実際に支払った医療費 - 10万円(※1)

医療費が10万円を超えた部分の10%が節税できる、ということになります。

例えば、家族も含めた医療費の総額が50万円かかった場合、10万円を差し引いた残額の40万円に10%を乗じた4万円が、節税額となります。

(※1)
医療費の合計金額が10万円または、世帯の総所得額の5%のどちらか少ない方。世帯総所得には保険会社からの給付金、健康保険からの高額療養費、出産一時金、一部負担還元金、家族療養費付加金などを含めて計算します。

確定申告の時期

医療費控除を受けるには確定申告をする必要があります。確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日までの1ヵ月間です。

ただし、サラリーマンなど給与所得者による医療費控除等の還付申告については、それより前でも受け付けてもらえます。詳しくは税務署で確認してください。

確定申告に必要な書類

確定申告書(国税庁ホームページ上で作成可能)、マイナンバーカード(マイナンバーカードを持っていない方はマイナンバー確認書類と身元確認書類)、給与の源泉徴収票、印鑑、還付金受取口座の預金通帳 などが必要です。