水商売・風俗業で働く女の子が新型コロナウィルスに関する休業補償、生活支援を申請する際の壁

新型コロナウィルス感染症の拡大による小学校などの休校に伴い、やむを得ず仕事に行くことができなくなってしまった保護者に対しての『学校等休業助成金・支援金』ですが、当初はキャバクラやクラブなどの接客を伴う飲食店、いわゆる水商売や風俗業は対象外とされていましたが、加藤勝信厚生労働相は4月7日、見直しを求める声に応じた形で水商売、風俗業で働く保護者も補償の対象とすると明言しました。

しかし、問題となっているのが今まで見逃されてきた水商売、風俗業界の働き方が仇となり、補償を受けられない可能性があるのです。

『生活支援臨時給付金』について、政府は当初、新型コロナウィルスの影響による収入減世帯に対しての30万円支給としていましたが、『所得制限なしの一人一律10万円支給』になりました。水商売や風俗業で働く女の子にも支給されます。
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収入の無申告者は無職扱い

水商売で働く女の子の働き方として、事業者(お店)と直接雇用契約を結んで従業員として働くケースと、雇用契約を結ばず業務委託契約で個人事業主(フリーランス)として働くケースがあります。

お店の従業員として働いている場合は、一般企業で働くOLさんと同様に、税金・年金・保険など、全ての手続きを会社が行ってくれるため問題ありません。

個人事業主として働いているケースも、水商売の場合、毎月の給料(報酬)から所得税分として10%(正確には10.21%)が引かれ、お店を介して納税をしています。

しかし、納税はしているが確定申告をしていない女の子がかなりの数いるといわれています。

ここで問題になるのが、税金を納めていても確定申告をしていなければ無職という扱いになってしまうということです。

結果として、無職の人に『学校等休業助成金』を支払う必要は無いということになります。

風俗業で働く女の子も同じ問題を抱え、風俗業の場合、報酬を支払う人に『源泉徴収義務がない』場合があります。お店が源泉徴収をしていない場合、風俗で働く女の子は自分で収入を申告して所得税を納める必要があります。確定申告をして納税している女の子であれば全く問題ありませんが、実際に風俗で働く女の子で確定申告をしているのは極めて稀です。確定申告して納税していなければ脱税状態にあり、扱いとしては無職です。

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確定申請することで生じる不利益

水商売・風俗業で働く女の子に『学校等休業助成金』を支給するには、彼女たちに収入があるとを認め、労働者だと認定する必要があります。

同時に、認定することにより、今まで見逃してきた様々な問題を見過ごすことができなくなってしまいます。

彼女たちを労働者として認定するには、確定申告をして納税をしてもらう必要があります。

水商売で働く女の子の場合、お店を介して既に報酬の10%を納めているため、確定申告をすればいいだけです。

確定申告をすれば『学校等休業助成金・支援金』は支給されますが、彼女たちにとって不利益が生じる可能性があるため単純な話ではありません。

下記では、納税の義務などの話はひとまず置いといて『学校等休業助成金・支援金』を受給するために確定申告をすることが、彼女たちにとって得なのか損なのかという目線で解説します。

確定申告をする得する?損する?

水商売で働く女の子はお店を介して所得税は納めています。確定申告は自分でしなければならないのですが、確定申告をするとどうなるのでしょうか。

  • 経費を計上すれば払いすぎた税金が戻ってくる
  • 親、夫の扶養に入っている人は扶養から外れる
  • 自分で国民健康保険に加入しなければならない
  • 所得に応じた住民税を支払わなければならない

経費を計上すれば払いすぎた税金が戻ってくる

確定申告をすると、仕事をする上で必要な出費は経費として認められます。

収入から経費を引いて残ったお金が所得です。所得税は所得に対してかかる税金のため、経費を計上して所得が少なくなれば、払いすぎた税金が戻ってくるという仕組みです。

例えば、水商売で働く女の子の場合下記の出費が経費として認められます。

  • お店に通勤するための電車、バス、タクシー、自家用車のガソリン代などの交通費
  • お客さんとのやり取りに必要な携帯電話などの通信費
  • お客さんと店外デート(同伴・アフター)の交際費
  • お店で接客時に着る『ドレス』『スーツ』『着物』などの衣装代
  • 自分の商品価値を高める『化粧品』『美容院』『美容』などの代金
  • その他、多岐にわたり様々な費用

扶養に入っている人は扶養から外れる

親または旦那さんの扶養に入っている女の子が、年間38万円(給与所得の場合103万円)以上稼いで確定申告をすると扶養から外れることになります。

扶養の範囲内で働くということは、扶養する側、される側 双方に経済的に大きなメリットがあります。

【扶養の範囲内で働くメリット】
扶養する側は、所得税や住民税といった課税所得から一定の金額を控除されるため節税になります。扶養される側は、自分で健康保険の保険料を支払う必要がありません。

【扶養から外れるデメリット】
扶養していた側は、控除されていた金額分の税金が増えてしまい、税金や保険料が高くなります。

自分で国民健康保険に加入しなければならない

確定申告して親の扶養から外れると、親の健康保険からも外れるということになります。

日本には「国民皆保険」という制度があり、日本のすべての国民は「公的医療保険」のいずれかに加入することになっています。

親の健康保険を外れた場合、自分で国民健康保険に加入して所得に応じた保険料を支払わなければいけません。

所得に応じた住民税を支払わなければならない

親の扶養から外れると自分の所得に応じた住民税を支払う必要があります。

本来であれば一定の所得がれば扶養から外れて自分で所得に応じた住民税を納めるのは当たり前のことです。

しかし、水商売で働く女の子の場合、所得があっても確定申告をしなければ扶養から外れることはありません。

これが水商売業界のグレーゾーンの部分です。

ある意味で社会のセーフティーネットとなっていた側面もあるため、様々な状況を考慮して、行政はあえて問題としていなかったというのが実情でした。

しかし、確定申告をすることで所得が明確になるため住民税を支払わなければならなくなります。

結果としてマイナスになる

確定申告することにより、収入がある労働者だと認定されると、休業補償の申請は認められるかもしれません。経費を計上すれば払いすぎた税金が戻ってきます。

一方で、扶養に入っていた人は扶養から外れます。扶養から外れるということは健康保険も外れるため、自分で国民健康保険に加入して所得に応じた保険料を納めなければいけません。住民税も納める必要があります。

以上のこを考えると、彼女の目線に立てば申請することで不利益が生じるのは明らかです。

【速報あり】生活支援臨時給付金は個人ではなく世帯単位の支給

生活支援臨時給付金(仮称)の政府案は、新型コロナウィルスの影響による収入減世帯に対しての30万円支給で、水商売や風俗業は対象外とされていましたが、「職業差別するな」「反社と同じ扱いはおかしい」という批判を受け、こうした声を無視することができなくなり方針を転換、一転して水商売や風俗業も休業補償を認める方針を打ち出しました。

但し、支給の条件が『世帯主の月収の減少』、給付が『世帯単位』ということもあり、既婚者で旦那さんが世帯主の場合や、親と同居で親が世帯主の場合、世帯主の収入の減少していなければ、いくら自分の収入が減少しても生活支援臨時給付金受け取ることができませんでした。

支給の条件が厳しいとの批判の声が高まり、後に世帯主以外の収入減少も条件を満たせは対象となりました。

しかし、先ほど話した通り、確定申告をしていない女の子は扱いとしては無職です。確定申告するにあたっては不利益が生じる恐れがあるため、生活支援臨時給付金を受け取れる水商売、風俗業の女の子はごく一部といわれていました。

政府は収入減少世帯に対する30万円支給案を取り下げ、4月16日、所得制限なしの一人一律10万円給付の意向を固めました。

これは今までの案では給付の対象外の女の子、対象ではあるが諸事情により申請を躊躇していた女の子にとっては朗報です。

確定申告していない無職扱いのキャバ嬢も、税金を納めていない脱税状態の風俗嬢も全ての人に一律10万円が支給されます。

補正予算案の国会提出は4月27日になる見通しで、成立は5月1日となる見込みです。